1.基本賃料について 適正家賃とは? 適正家賃の2つの決め方 適正賃料の算出方法 周辺相場を探る |
2.空室改善 入居条件で差をつける 効果の大きいペット可 募集条件変更によるメリット・デメリット |
3.少しの負担で入居率アップ! 今、入居希望者に人気の設備はなんだろう? その他効果のある設備は? ファミリータイプに必要なものは? |
空室期間と賃料の微妙なバランスの上に成立するのが“適正賃料”といわれる。 そこでオーナー様自身が適正賃料を算出する方法を勉強しましょう! |
適正家賃とは?
多くのオーナー様にとって出来るだけ高い賃料で、1ヶ月でも空室にならないように部屋を貸したいのが本音ではないだろうか。
極端な話、相場より1万円でも2万円でも安い賃料を設定すれば、入居者もすぐに決まり空室期間が少なくて済む反面、オーナー様の収益は減少する。
つまり、借主と貸主のバランスがピッタリマッチした賃料設定が、“適正賃料”といえるだろう。
とはいえ、仮に適正賃料を付けたとしても、どうしても1ヶ月程度は空室期間が出来てしまうのも現実。何故なら前入居者の退出後、リフォームをすることを考えれば、募集がスムーズに行われたとしても次の入居者決定迄は、最低1ヶ月程度空いてしまう。いくら賃料が適正でも、前の借主が引っ越す前から次の“借主が決まっている”
というのは、大変幸運なケースなのである。
であるから、2ヶ月以上空室なら賃料の見直しをした方がいいだろう。
募集部屋の賃料設定が、本当に適正家賃といえるのかが問題になってくるのは、季節にもよるが、募集開始から2ヶ月たっても次の借主が見つからないような場合。勿論、依頼した不動産会社が適切な募集活動を展開しているのが前提である。このあたりから、不動産会社の方でも「まずいな・・・」という認識になり、場合によっては、担当営業マンから「賃料を下げましょう」という話も出てくる。
1月から3月のオンシーズンでは、1ヶ月半位。
7月、8月あたりだと3ヶ月程度が目安。
担当営業マンの「家賃を下げましょう」という言葉と、その根拠に納得出来ればいいが、そうでない
場合は、自分なりに適正賃料を“算出”してみて十分討してみる必要がある
適正家賃の2つの決め方
賃料の決め方には2つの方法があり、それは“積算法”と“比較法”と呼ばれる。
土地の購入代金や建設資金など、アパートやマンションを建てるのに掛かる費用を積み上げ、そこから月額賃料を算出するのが積算法と呼ばれる。
周囲の良く似たタイプの物件の賃料をいくつか調査し、それを立地・築年数・設備仕様で修正し、月額賃料を算出するのが比較法と呼ばれる。
積算法は、新たにアパートやマンションを建てる際に不可欠な収支計画を作るのに利用される
ただ、既存のアパートやマンションの適正家賃を算出する際には、この積算法を利用しても、過去にこれだけ投資したのだから、最低これだけは回収したい!」というオーナーの願望を表す数字にすぎなくなり、あまり意味がない。
特にバブル期に建てたもの程、その傾向が強いようである。従って、既存のアパートやマンションの適正賃料を改めて検討するのに向いているのは、積算法より“比較法”だといえる。
適正賃料の算出方法
<積算法>
土地代+建物の建設費+ローンが有ればその金利+オーナーの利益
20年で、償却すると仮定して240ヶ月で割って→月額賃料
<比較法>
周辺のアパート・マンションの賃料を調査±立地・築年・間取り日当り等を考慮→月額賃料
周辺相場を探る
比較法を使って空室の適正賃料を算出するには、まずその部屋となるべく条件が似ていて、つい最近、募集が行なわれた物件の賃料を調べる事から始める。
募集を開始した日付・募集したときの賃料・契約が決まった日付・契約時の賃料まで詳しく分かれば、尚良い。
不動産会社などは、独自のデータを利用したり、物件周辺で強い営業力を持つ他の不動産会社に直接話を聞いたりして、比較の基礎となるこの周辺の相場動向を探って行くようだ。オーナー様自身が周辺の相場動向を探る時には、住宅情報雑誌やNETを利用するのが簡単。たとえば、最低3ヶ月、出来れば半年分の雑誌・NETを丹念に見ていく。
パソコンの表計算ソフトなどを使って簡単に集計してみるのも良い。そうすれば、自分の物件のある沿線で間取り別の賃料がいくらか見えてくる。
さらに、たとえば同じ賃料なら広いものの方が駅からの徒歩時間が掛かるとか、築年が古いとか、設備が付いていないなど、それぞれの物件の特徴によって2,000円〜3,000円の差がある、といった事も分かってくる。
出来るだけ空室を少なくするには、賃料だけではなく入居者募集の条件や方法、部屋の設備仕様や日頃のメンテナンスも大事な要素である。まずは、入居者募集の見直しに付いて考えてみましょう!
これまで、少しでも空室を減らすために、さまざまな角度から“適正賃料”に付いて考えてきました。
ただ、適正な賃料を設定しても、なお空室が出来てしまう事はあり得るし、色々な事情からこれ以上賃料は下げられないというケースもあるでしょう。そんな時、是非検討したいのが、入居者募集条件の見直しです。たとえば、月々の賃料を下げたくないなら、入居時に必要な費用を低くする方法があります。
切り札として、“フリーレント”
入居時に必要な費用を低く設定する方法で、もっとも効果的なのが“フリーレント”
賃料をタダにするこのフリーレントは、ここ数年程で広島でもかなり定着してきたが、まだまだ効果が高いようです。
初めからフリーレントをうたうのも良いが、不動産会社に「場合によっては2ヶ月フリーレントも可」という条件を付けておいて、ここ1番という時に切り札として使うと、より効果的です。
最近は、敷金ゼロの物件も良く見かけるようになったが、礼金や敷金を低く設定する場合に注意したいのは、敷金を低く設定し過ぎないことです。礼金は、一種の賃料と考えて差し支えないからゼロにしても問題はありません。
だが、敷金を1ヶ月もしくはゼロにした場合、“退室時の原状回復費”の精算時にトラブルが起こりやすくなるし、万が一、滞納した場合の保証金が無い。という問題があるはずです。
効果の大きいペット可
入居者募集条件を見直すといってもいわゆる「入居者の審査基準」まで甘くしてしまったのでは、入居中にトラブル発生の確率が上がるなど、オーナー様にとって、リスクが大きすぎます。
そこで注目したいのが“ペット禁止”から“ペット相談”などの募集条件変更です。
あるシンクタンクの調査によると、賃貸住宅入居者の約4割が、「ペットを飼いたい」と考えているという。
それに対して、“ペット可”の賃貸住宅は遙かに少なく“ペット可”に対する需要は、予想以上のものがあるようだ。
従来、ペット禁止にしてきたオーナー様は、「部屋が汚れる・声や臭いが迷惑」などの理由をあげるが、その気になって対策を立てれば、解決可能な問題がほとんどだ。
実際、新築物件ではペットの足洗場を戸外に設けたり、傷の付きにくい素材の床にしたり、壁クロスを壁の下半分に張り、汚れた場合にはそこだけ張り替えられる様にするなど、
ペット対応にしたものも出てきている。
「ペット可」も入居者や、近隣の合意が必要。
ペット同様、それ迄の“ピアノ禁止”を“ピアノ相談”にする場合も、鉄筋コンクリートのマンションであれば、床の強度も隣戸への騒音も、それ程心配する事はなさそうだ。
問題は、既に“ペット禁止”“ピアノ禁止”の条件で契約し、入居している人達へどう説明し、納得してもらうか?
又隣戸は勿論、近隣の住民からも苦情が出ないように“ペットの飼育規制”「大型犬は飼わない・ベランダに犬小屋を置かないなど」や、ピアノ使用“演奏時間の取り決め”等について、具体的に取り決めをする事も重要だ。特に以前、入居者から「ペットを飼いたい」「ピアノを入れたい」という申し出があった場合は要注意!
「契約条件は、個別に決めるもので、以前と内容の違う契約もあり得る」ことをここできちんと説明しておきましょう。さもないと、話がこじれる危険性もある。
やはり「オーナーが許可したから良い」というのではなく、あくまで隣戸の入居者や、
“近隣の住民の合意”の上で、「オーケーした」という姿勢が大切です。
勿論、マンション全体の管理規約などで“ペット可”“ピアノ可”にするのは得策ではない。“限定解除”すれば、入居者も見つかりやすい。
オーナー様によっては“学生限定・連帯保証人がしっかりしている”とか“女性限定・綺麗に住んでくれる・夜騒いだりしない”など、入居者を限定する事にメリットを感じている人もいるようだが、こうした限定を解除してみるのも効果大。
メリット |
デメリット |
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●フリーレント | 入居者のお得感は大きく、既入居者との兼ね合いで月々の家賃を下げられない時も有効。 | その分早く決まればあまりない。みんながやり出すと効果がなくなる。 |
●礼金0敷金0 | 入居時の一時金が少なくて済むので賃料の高い物件ほど入居者のお得感は大きい | 敷金0は、退出時の原状回復費の事を考えると入居者にとってもメリットがない。 |
●ペット可 | ペット可の物件は、常に足りない状況 | 既入居者や近隣とのトラブルが起こる可能性がある |
●ピアノ可 | ペット可同様、物件自体の数が少ないので入居者が早く決まりやすい。 | 騒音をめぐってトラブルが起こる可能性がある |
●入居者限定の解除(学生・女性など) | 今迄、入居者を絞っていた訳だから、間口を広げれば当然入居者は、決まりやすい。 | 既入居者と話し合っておかないと、トラブルの原因になる |
その他効果のある設備は?
エアコンの他に空室を減らすのに効果のある設備は、シングルタイプでは、ガスコンロ、床のフローリング仕上げなどがある。
シングルタイプの入居希望者の自炊率はけっして高くはないが、キッチンのコンロの熱源は、圧倒的にガスが人気である。
安全面から(全て電化)にしている場合は難しいだろうが、給湯にガスを利用しているようなケースでは、ガスコンロへの変更を考えてみるのも良いだろう。床のフローリング仕上げは、特に女性に人気!
部屋が空いた際のクリーニングや補修の際にフローリングにするのも良い。
ファミリータイプに必要なものは?
ファミリータイプで空室を減らすのに効果のある設備としては、追焚機能付のお風呂。
家族の人数が多く、入浴時間がまちまちになりがちなファミリータイプの、入居希望者にとって「追焚機能付の風呂」は、1度使ったらやめられないそうだ。エアコンほど簡単には行かないが、給湯設備の修理が必要になった際などに思い切って「追焚機能付」
にしてみれば、ファミリー層からの人気が一気に上昇するだろう。
また、古いマンションに多い続き間タイプ。たとえ、同じ家族であっても、プライベートは保ちたいものです。和室から和室、又、洋間から和室といった、続き部分の壁をふさぎ、各部屋独立タイプにすることによって、他のマンションとは一味違う間取りとなり、入居に結びつきやすくなります。こうすることによって、特に2DK〜2LDKタイプのターゲットがファミリー(新婚)に絞られていたのが、ルームシェアマンションを探している比較的若い世代にもワンルーム感覚で貸出すことも可能です。
その他、3DKマンションを広島には比較的玉数の少ない2LDK仕様に変更するのも、結構効果的です。
当社は以前、市内中心部3DKマンションを1LDKマンションに仕様変更し、他マンションとの差別化に多いに貢献した実績もあります。(郊外型のマンションはあまりやらないほうがいいですが・・・。)
上記は、あくまで不動産会社が持っている膨大なノウハウの一部にすぎないですが、思い当たる節が1つでもあるのであれば、お気軽に当社にご相談くださいませ。
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